相続税の基礎控除と特例(参考)
相続が発生した場合は、相続税を納付しなければなりません。しかし相続する額に応じて、一定額までは納付しなくて良いという控除額が定められています。また配偶者への配慮等、特例措置も設けられています。

相続税の基礎控除と特例(参考)

 

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参考に、相続税に関する基礎控除や特例措置について記載します

 

■詳細については税理士さん等にご確認下さい。

相続税の申告は、相続開始から10ヶ月以内に行わなければなりません。
 

基礎控除額について

相続の場合、基礎控除額を超えた場合に相続税がかかります。相続税の対象となる相続は、全体の8%程度になります。

基礎控除額=3000万円+(600万円×法定相続人の数)

 

遺言書や相続放棄あるいは欠格等によって実際の相続人が欠けた場合にも、基礎控除の人数はあくまで法定相続人の人数で決められます。

 

例えば法定相続人が、配偶者1人、子3人、直系尊属1人、兄弟姉妹2人いる場合は、実際に相続を受ける者は配偶者1人と子3人のみになりますが、基礎控除額は、3000万円+600万円×法定相続人7人=7200万円となります。相続財産+贈与額が6000万円だった場合は、相続税は発生しません。

相続税に基礎控除額は、法定相続人の人数によって決まります。
 

国税庁ホームページ
ここをクリック!■相続税のあらまし

 

ここをクリック!■相続税申告可否簡易判定シート

 

相続税の速算表について(国税庁)

相続財産にかかる相続税は次の8段階になります。基礎控除額や特例措置を除いて計算します。

課税価格・税率・(控除額)

  1. 1000万円万円以下・10%・(控除額なし)
  2. 3000万円以下・15%・(50万円)
  3. 5000万円以下・20%・(200万円)
  4. 1億円以下・30%・(700万円)
  5. 2億円以下・40%。(1700万円)
  6. 3億円以下・45%・(2700万円)
  7. 6億円以下・50%・(4200万円)
  8. 6億円超・55%・(7200万円)

*上記は平成27年1月1日以後に相続が開始した場合です。それ以前に開始した相続は上記表とは異なります。

 

相続税の負担が軽くなる特例措置

相続税の軽減措置として、次の特例が設けられています。

  1. 配偶者税額軽減の特例として、配偶者については1億6000万円と法定相続分の、どちらか多い金額まで相続税がかかりません。
  2. 小規模宅地等の特例として、個人が自宅や店舗などに使用していた土地は、一定の面積まで課税額が減額となります。
  3. 贈与税額控除の特例として、相続開始前3年以内になされた生前贈与については、相続税から贈与税が控除されます。
  4. 未成年者・障害者控除の特例として、一定の金額を相続税から差し引くことができます。差し引くことができない場合には、扶養義務者の相続税から差し引くことができます。
  5. 相次相続控除の特例として、10年以内に2回以上の相続があった場合には、1回目にかかった相続税の一部を2回目以降の相続税から差し引くことができます。
 

小規模宅地等の特例について

小規模宅地等の特例については次のとおりとなります。

  1. 10ヶ月以内に申請を行ないます。
  2. 故人の自宅敷地のうちの330㎡までを80%減額とすることができます。これには建物だけでなくその構築物も含みますので、整備された駐車場等も含まれます。整地されていない青空駐車場の場合は適用されません。
  3. 故人が貸付目的以外の個人事業や商売に使用していた土地のうち、400㎡までの部分を80%減額とできます。
  4. 故人が有償で貸付けていた土地のうち、200㎡までの部分を50%減額とできます。
  5. 特例が使える者は、配偶者および生計を同一にする6親等内の血族・3親等内の姻族である親族に限られます。
  6. 特例が使える者は配偶者を除いて同居している親族であり、住居として使用する場合は申告期限まで継続して土地を所有し、家屋に住んでいることが要件となります。
  7. 配偶者および同居している親族である法定相続人がいない場合には、申告する親族が申告期限まで継続して土地を所有することが要件になります。家屋に住んでいることが要件とはなりません。
  8. 相続税の申告書を税務署に提出することと、申告期限までに遺産分割協議を成立させる必要があります。
  9. 遺産分割協議が期限内に成立しない場合は一旦相続税を収めますが、3年以内の分割見込書を提出した上で、期限内に協議が整った場合は、特例分を超えた額を返されます。
小規模宅地等の特例を受ける場合は、10ヶ月以内に遺産分割を成立させ、名義を確定させる必要があります。
 
小規模宅地の特例の留意点は次のとおりとなります。

  1. 2世帯住宅であって玄関が別、建物内部で行き来が出来ない構造の住宅に関しては、特例が認められます。
  2. 2世帯住宅であって玄関が別、建物内部で行き来が出来ない構造の住宅であって、かつ区分所有登記がされている建物は特例が認められません。
  3. 被相続人が老人ホーム等に入居していた場合であってもその者が入居前に居住していて、かつ要介護認定または要支援認定を受けていた場合、または都道府県届出の老人ホームに入居していた場合は特例が認められます。
  4. 同じ建物に同居ではなく同一敷地内に2つの建物があり、親子それぞれの名義の建物に居住している場合には原則特例は認められません。
  5. 同一敷地内2建物であっても、親子が生計を一にしていた場合は、子が住んでいる建物の敷地部分のみが特例の適用を受けます。子の建物の所有権は問いません。
 
下記すべてを満たせば、特例が認められます。
  1. 故人に配偶者や同居の親族がいないこと。
  2. 宅地を相続した親族が、相続の3年前までに「自己または自己の配偶者」「3親等以内の親族」「特別の関係がある法人」の持ち家に住んだことがないこと。
  3. 相続した宅地を、相続税の申告期限まで保有すること。
  4. 相続開始時に、居住している家屋を過去に所有していたことがないこと。
 
「家なき子特例」の経過措置として、次の措置が加えられています。

平成30年3月31日時点で下記要件をすべて満たしていれば、令和2年3月31日までの相続については特例が認められました。

  1. 亡くなった人に配偶者や同居の親族がいないこと。
  2. 宅地を相続した親族が、相続の3年前までに「自己または自己の配偶者」の持ち家に住んだことがないこと。
  3. 相続した宅地を相続税の申告期限まで保有すること。
 

相続税の負担が重くなる特例措置

次の場合は相続税が2割加算されます。

  1. 内縁の妻など、法定相続人以外の者への財産分けは2割加算となります。
  2. 法定相続人であっても、兄弟姉妹の場合は2割加算となります。
  3. 養子が法定相続人となれる人数は、被相続人に実子がいる場合は1人、いない場合は2人ですので、それ以外の者は2割加算となります。
  4. 代襲相続の場合は2割加算されません。
  5. 孫を養子とした場合は2割加算の対象となります。
配偶者や子および直系尊属以外の相続税、またその代襲者以外の相続税は2割加算となります。
 

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②相続人調査から「相続関係説明図」作成

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