公共工事受注に必要な経営事項審査
建設業が公共工事を請け負うための入札に参加するためには、経営事項審査を受ける必要があります。経営状況分析とは、経営の財務状況を客観的に数値化する審査のことです。公共工事を請け負うためには、財務状況で高い評価を受ける必要があります。

公共工事受注に必要な経営事項審査

 

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公共工事を受注するために

各官公庁から建設工事の受注をしようという場合、いわゆる公共工事を受注しようとする場合には、各官公庁の入札を受ける必要があります。入札を受けるにはいくつかの条件があります。

入札を受けるための条件。

  1. 入札に参加する業種の、建設業許可を取得していること。
  2. 決算変更届が提出されていること。
  3. 入札を受ける前に経営事項審査を受けていること。
  4. 入札を希望する各官公庁の「総合評定値通知書」を得ていること。
  5. 入札を希望する各官公庁に、入札参加資格申請を行っていること。
 

公共工事を受注するメリット

公共工事を受注するメリットは次のとおりです。

  1. 安定した発注量が見込めます。
  2. 貸倒がありません。
  3. 取引先や金融機関への信用力が高まります。
  4. 小規模企業にも枠があり、小規模企業にもランクに見合った発注が期待できます。
  5. 地方公共団体においては、地元企業優先の発注が期待できます。
 

経営事項審査について

公共事業を受注する場合は、その工事業種の経営事項審査(経審)を受けていることが必要になります。
 

軽微な工事のみを行う建設業者であっても、公共工事では経営事項審査を受けていなければ受注できません。公共事業を受注したい場合は、建設業許可を取得した後に経営事項審査を受け、入札に参加する資格を取得します。

 
経営事項審査は、次の3つの審査で構成されています。

公共工事受注に必要な経営事項審査

  1. 経営状況分析申請
  2. 経営事項規模等評価申請
  3. 総合評定値請求
 

経営事項審査とは、建設業者の財務状況や経営規模、実績等から実力を明確に点数化したものです。

 

各官公庁は工事の内容や規模に応じて、この点数に基づいて発注を行います。

 

経営事項審査申請の流れ

経営事項審査申請の流れは次のとおりです。
  1. 毎期終了後4ヶ月以内に、許可行政庁へ「決算変更届」を提出します。
  2. 民間の経営状況分析機関(国土交通省へ登録している機関)に財務諸表を提出し、「経営状況分析申請」を行います。分析は業種ごとに書類を作成し、業種ごとに申請を行います。
  3. 経営状況分析機関から「経営状況分析結果通知書」を取得します。
  4. 許可行政庁へ「経営状況分析結果通知書」を提出し、「経営規模等評価申請」と「総合評定値請求」を行ないます。
  5. 許可行政庁から、「経営規模等評価結果通知書」と「総合評定値通知書」を取得します。
 

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経営状況分析機関について

国土交通省へ登録している、民間の経営状況分析機関は次のとおりです。計算方法が同じであり、どの分析機関でも同様の結果を得られます。

  1. (一財)建設業情報管理センター 東京都中央区築地2-11-24 03-5565-6131
  2. (株)マネージメント・データ・リサーチ 熊本県熊本市中央区京町2-2-37 096-278-8330
  3. ワイズ公共データシステム(株) 長野県長野市田町2120-1 026-232-1145
  4. (株)九州経営情報分析センター 長崎県長崎市今博多町22 095-811-1477
  5. (株)北海道経営情報センター 北海道札幌市白石区東札幌一条4-8-1 011-820-6111
  6. (株)ネットコア 栃木県宇都宮市鶴田2-5-24 028-649-0111
  7. (株)経営状況分析センター 東京都大田区大森西3-31-8 03-5753-1588
  8. 経営状況分析センター西日本(株) 山口県宇部市北琴芝1-6-10 0836-38-3781
  9. (株)日本建設業経営分析センター 福岡県北九州市小倉南区葛原本町6-8-27 093-474-1561
  10. (株)建設システム 静岡県富士市石坂312-1 0545-23-2607
  11. (株)建設業経営情報分析センター 東京都立川市柴崎町2-17-6 042-505-7533
 

提出する財務諸表は過去3年分が必要となりますが、継続して同じ分析機関に依頼する場合は、3年目以降は直前1年分のもので足りる(各分析機関に過去分が保管されるため)ことになります。

 

経営状況分析申請とは

経営状況分析結果通知書は経営規模等評価申請の審査日までに取得します。
  1. 税務申告終了後1ヶ月以内に申請を行ないます。提出した決算変更届を変更しなくて済むように、決算変更届を出す前に経営状況分析申請を行ないます。提出した財務諸表に修正がなければ、決算変更届を提出します。
  2. 提出された財務諸表に基づいて経営状況が点数化され、経営状況がよいほど点数も高くなります。
  3. 経営状況分析機関から「経営状況分析結果通知書」が出されます。
  4. 点数は業種ごとに付けられます。総合評点P点が建設業者としての点数となり、それらを基にして入札業者のランク付けがなされます。

■経営事項審査の申請代行承ります

 

経営規模等評価申請とは

  1. 必ず事前に予約をとります。
  2. 決算日から6ヶ月以内に申請を行ないます 。それを過ぎると総合評定値通知書に空白期間ができてしまいます。
  3. 経営状況分析機関から「経営状況分析結果通知書」が届いたらすぐに、許可行政庁へその通知書とともに「経営規模等評価申請書」を提出します。
  4. 経営規模等評価とは、建設業者の経営規模、技術的能力、社会性等の客観的事項を数値によって評価するものです。
  5. 知事許可の場合はその都道府県知事、大臣許可の場合は主たる営業所を管轄する地方整備局等に申請を行ないます。大臣許可も実際に提出する窓口は知事許可と同様になります。
  6. 通常は1ヶ月弱で経営事項審査の結果が届きます。
 

総合評定値通知書とは

公共工事受注に必要な経営事項審査

  1. 総合評定値通知書請求とは、建設業者の総合的な評価である「総合評定値通知書」の発行を請求することです。
  2. 総合評定値は各官公庁において、客観的事項として建設業者の格付けや順位付け等に利用される数値です
  3. 「経営規模等評価結果通知書」と「総合評定値通知書」は1ヶ月を目処に発行されます。
  4. 「経営規模等評価結果通知書」および「総合評定値通知書」は再発行されません。
  5. 入札を希望する場合は各官公庁ごとに「総合評定値通知書」を提出します。各官公庁はこの評定に基づいて建設業者のランク付けを行ない、入札への参加業者を決めます。
 

総合評定値通知書取得までのスケジュール

総合評定値通知書の有効期間は1年7ヶ月です。有効期間内に次の総合評定値通知書を取得しなければ、公共工事を受注することはできません。

 

空白期間を作らないために、総合評定値通知書取得に当たっては、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
経営事項審査の審査基準日となる決算日のスケジューリングです。決算日を基点とした時期を目処としています(2ヶ月としてあれば、決算日が3月末の場合は5月末となります)。

  1. 税務申告~2ヶ月
  2. 財務諸表作成(建設業法様式)~3ヶ月
  3. 決算変更届~3ヶ月
  4. 経営状況分析申請~3ヶ月
  5. 「経営状況分析結果通知書」取得~4ヶ月
  6. 経営規模等評価申請および総合評定値請求~5ヶ月
  7. 「総合評定値通知書」取得~6ヶ月
 

総合評定値通知書の有効期間内に次の総合評定値通知書を取得できなかった場合は、次に取得するまでの空白期間には公共工事の入札に参加することはできません。その期間に公共工事の入札に参加し契約を締結してしまうと、指名停止等のペナルティを受ける場合があります。

 

役所への手数料について

役所への手数料額は次のとおりです。
  1. 経営規模等評価手数料 8,100円+業種加算額(2,300円×審査対象業種数)
  2. 総合評定値請求手数料 400円+業種加算額(200円×請求対象業種数)
 

業種が増えるごとに上記加算額が足されていきます。

 

経営状況分析申請に必要な書類

経営状況分析申請に必要な書類は次のとおりです。
  1. 経営状況分析申請書(申請する分析機関によって異なります)
  2. 審査基準日前3年分の財務諸表(課税業者は消費税抜き、免税業者は税込)
  3. *法人の場合は、様式15~17号2(貸借対照表、損益計算書、完成工事原価報告書、株主資本等変動計算書、注記表)
    *個人の場合は、様式18~19号(貸借対照表、損益計算書)

  4. 減価償却実施額を確認できる書類(当期および前期分、減価償却実施額がない場合は不要です)
  5. *法人の場合は、税務申告書別表16(1)および16(2)写し、他減価償却実施額を確認できる書類
    *個人の場合は、青色申告書一式または収支内訳書一式、他減価償却実施額を確認できる書類

  6. 建設業許可通知書または建設業許可証明書の写し(変更があった場合は変更届も必要となります)
  7. 兼業事業売上原価報告書(損益計算書に兼業事業売上原価が記載されている場合に必要となります)
  8. *法人個人とも様式25号9(兼業事業売上原価報告書)

  9. 委任状の写し(行政書士に依頼された場合に必要となります)
  10. *経営状況分析申請書等の申請者欄は、申請者と代理人の併記となります

  11. 換算後の財務諸表(決算期変更等で当期決算が12ヶ月に満たない場合は、12ヶ月に換算して計算します)
 

経営規模等評価申請書および申請に必要な資料

申請書類(提出部数 正本1部)
  1. 経営規模等評価申請書
  2. 工事種類別完成工事高・工事種類別元請完成工事高
  3. 技術職員名簿
  4. その他の審査項目(社会性等)
  5. 外国子会社並びに建設業者及び外国子会社についての数値の認定書(原本)(該当する場合のみ)
  6. 経営状況分析結果通知書(原本)
 
添付(提出)書類1(提出部数 正本1部)
  1. 消費税確定申告書の控え
  2. 消費税納税証明書(その1)
  3. 完成工事高に係る請負契約書類(契約書・注文書)
  4. 減価償却実施額に係る確認書類
  5. 技術職員数の確認書類
  6. 技術職員の資格を証明する書類
  7. 雇用保険の加入を証明する書類
  8. 健康保険の加入を証明する書類
  9. 厚生年金保険の加入を証明する書類
  10. 建設業退職金共済制度の加入を証明する書類
  11. 退職一時金制度若しくは企業年金制度の導入を証明する書類
  12. 法定外労働災害保証制度の加入を証明する書類
  13. 民事再生法又は会社更生法の適用を受けていることを確認する書類
  14. 防災協定の締結を確認する書類
  15. 監査の受審状況を確認する書類
  16. 公認会計士等の数及び2級登記経理試験合格者の数に係る確認書類
  17. 建設機械の保有状況を確認する書類
  18. ISO9001及びISO14001の取得状況を確認する書類
 

虚偽申請が行われた場合の営業停止期間について

虚偽申請が行われた場合には、営業停止処分となります。
  1. 通常の経営事項審査虚偽申請の場合は、営業停止30日以上
  2. 監査の受審状況で加点された場合は、営業停止45日以上
 

入札参加資格申請について

入札を希望する官公庁に、次のとおり入札参加資格申請をします。
  1. 各官公庁のホームページ等で、入札参加資格申請の情報を入手します。
  2. 各官公庁のホームページ等で、申請に必要な書類を取得します。
  3. インターネットや郵送等によって申請を行ないます(方法はホームページ等で確認します)。
  4. 各官公庁では申請書に基づいて、資格要件を審査します。
  5. 提出された総合評定値をもとに建設業者のランク付けを行ないます。
  6. 審査結果が資格者名簿に登録されます。

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